美術館等で見受けられるレフトアップ式配線ダクトとは

会社や学校・公共施設など数多くのOA機器を備えたところでは、電源ケーブルが床に散乱するのを防ぐために配線ダクトという設備が備わっています。

一般的に隠ぺい工法と呼ばれる壁や天井に埋め込まれた設備となっており、外側から電源ケーブルを目視することはできません。そのため部屋の景観を良くできるという効果もあります。この配線ダクトは個人住居や集合住宅にも昨今では備わっており、部屋に据え置いている家電のケーブルを見えないようにしつつ、ケーブルで足を引っ掛けて転倒するのを防ぐことも可能です。さまざまな場所に備えられている配線ダクトですが、美術館や博物館の場合は隠ぺい工法式のダクトではなく「レフトアップ式」という配線ダクトを採用されているのが特徴です。

この「レフトアップ式」とは天井からダクトをワイヤーで吊るしており、レールに沿って自在に移動させることができます。このためレール式ダクトという呼称でも呼ばれることがあります。美術館等では所蔵品を館内の至る所で展示することになり、その際にもちいるライトも所蔵品と同様に移動させる必要があります。通常の隠ぺい工法式のダクトだと自由度が限られてしまいますが、「レフトアップ式」であればその限りではありません。なお、「レフトアップ式」配線ダクトには主電源が備わっていないので、電源の供給をする際はコンセントに付属の電気ケーブルをつなぐ必要があります。最大で2、400kwの電力を賄えるので、ライトや音響機器のケーブルを複数本収納できる設備です。

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